ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (キャスリーン・フリン)
料理教室による人々の成長を描いた実話。世代間の技術の断絶があったり、まあ人それぞれの事情があるんだけど、料理をしない人々がいたと。そこに料理の技術を伝授することで料理するようになり、ウハウハになったと。そういう話です。
日本のカレールウの下りが良かった。自分が料理をしていった先に、市販のルウを使ったカレーと同じ/より良いものを生で自作できる人生があるのか? っていうと疑問も残るわけだけれども。
本書では生徒は女性ばかりですが、料理できないことに関する劣等感みたいなのは決して女性だけのものではないでしょう。人類って端的に言えば火を使って料理するサル、ですよね。人類であるからには料理くらいできるでしょ、というのがあるんですよ。料理できなきゃこの東京砂漠をサヴァイヴできないからさ(←んなわけない)。でもその技術を持たない人ができるようになるキッカケがないのだよね。
ところでアメリカではどんなスーパーでも丸鶏と称して鶏を丸ごと売ってるんですね。すげー。日本じゃクリスマス近くにならないと売ってくれないですよね。まーでも日本で魚を丸ごと売ってるのと同じ感覚なのかな? 私も魚を捌けたらいいのにな、という思いはあって、YouTubeの魚系料理動画なんかをいつも見ている。
アメリカと日本で事情は違えど、日本でも料理する人は減ってるんじゃないかな。外なら外食、中なら買ってきた弁当やお惣菜とご飯。それで済むもんね。今は便利な世の中なんです。
私は料理好きですよ。決して得意/上手ではないですが、自分で買い物をして料理して食べて片付けて…っていうサイクルが好きなんだよね。最近ではここでレビューしてない超絶感動的な本を読んだおかげでパンを自作したりしてます。そのことについてはいずれどこかに書こうと思いますが…
そういうわけで、この本による発見は多かった。なるほどチキンの骨は煮込んでスープの出汁にしてストックしとけばいいのかー、とかね。今まで当然のようにタダで捨ててましたけれども。