人殺しの息子と呼ばれて (張江 泰之)
北九州のあの事件の息子との接触、そしてインタビューをTVで放送したテレビマンが、その経緯を本にしたもの。
私はこの番組、見たいと思ってはいた記憶があるが、見なかったんだよなー。なんでかわからん。長時間テレビを見る習慣がなくて、まあサッカーとかバスケの試合は別だけれども、興味を持った番組すらも見てないんだ。どうしたものか…
それはともかく。
この事件の本は以前に読んだことがあるし、似た境遇と言えばオウムの娘の本も読んだ。それに近いテーマの小説も読んだなあと。
考え方としては同じなんだろうな。これは確かに特別な事件ではあるが、特別な事件だからこそ意味を持つのではなく、実は同じ境遇の…犯罪加害者のような、非難の対象となる人物の家族という人は珍しくないはず。割と一般的な話ではあるんだ。そういう境遇というだけで、非難の対象に含まれていいはずがない。特に事件当時子供だったような場合はね。
この人は小学校低学年の時に救出された。救出されるまで小学校には通っておらず、隠れて住んでいてそれが当然だと思わされていたようだ。そこからは誰もが想像できるようなハードモードの人生を送ることになった。何の非もないにも関わらず。
人生をなるべく正しく生きるのに必要な「理」というものは意識しなければ飛んでしまうんだよね。読者の私としては、それを問いかけられるようなテーマではあるなと思った。