タイガー・マザー (エイミー・チュア)
中国式の凄まじいスーパースパルタ式子育て闘争を記した本。この母親のエナジーが相当すごいのは分かるけど、周りはたまったもんじゃないな。母親と子供2人の3人はいいとして、果たしてこれで夫は幸せなのかな? 最初のワンちゃんへの接し方は笑えたが。
2人にやらせたのはクラシックのピアノとバイオリン。まあ勉強もかなり良く出来るところまでやったみたいだけど。しかしクラシックか。才能の無駄遣いと言っては失礼なんだろうけど、実際のところ、私は現代のクラシックをあまり評価していないので。だって歴史をなぞり返すだけで人生の全てが終わってしまう人がほとんど…という分野でしょ、という認識。価値がないとは言わないよ。それなりに優れているし学ぶものはあるだろうとは思うけど、人生は短い。学ぶだけで終わるってのは厳しい。
つまり、例えば俳句や短歌だって学ぶべき古典はあると思うけど、「俳句やってます」って人が古典をなぞって読むだけで、何も作品を生み出さずに人生の終わりを迎えることはないでしょ。だがクラシック音楽はそれがまかり通っている。才人が創造性を発揮せずに人生を終わらせるのはとても悲しいものなんだよ。才能があればあるほど。だからこの本に出てくる下の子の選択は正しいと思う。正しいと認めてあげてもらいたい。
まあこの本の前ではそんなことはどうでもいいんだ。
姉妹2人それぞれの性質の違いというのは実感もこもっていて良かった。実際私の子供もそれぞれ性質がかなり違う。実りの得られない闘争。