言わずと知れた長嶋茂雄、その人の息子である一茂へのインタビューを本にしたもの。こういうのの著者を一茂の名前にしてしまうのはちょっとどうかと思うよ。まあスポーツ選手の本は多くがそうなんだけどね。
で、一茂だ。親があの人で、恵まれた体格と筋力。イージーモード設定の人生なんだけど、彼は親父を目指してしまった。本人がいみじくも言うように、父親のようになりたい、という平凡な夢はまるで太陽に挑むようなものだったワケで、これは流石にハードモードでしょう。どんな神がかった素質があったところで、長嶋茂雄を超えられるなんてことは…
実際のところ、一茂は一般的な基準で見れば素晴らしくよくやったヤツだと思うよ。大したもんだ。
幼少期のことに関しては…これは大人が悪い。少なくともこの本を読んで私は心が痛んだ。マスコミは自分の仕事をしているとは言え大人としての節度が必要で、それがないのであれば周囲が守ってやるべき。まだ成長途中の子供だから変なことするな、と強く言えなかった親父やコーチの責任は重いのでは? 例えばサッカーでも幼少期に注目されてる選手、いますよね。大成するかどうかは不確定ではあるものの、周囲の大人がチヤホヤしたせいで大成できない、というケースは減らしていかなければならない。それが大人たちの責任だ。