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山椒の実

誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (スティーヴン ウィット)

現代のデジタルミュージック時代をもたらした人々について綴った力作。かなりの力作ですよこれは。5年かかったらしいですが、それだけのことはある。歴史に残る著作かもしれないね。

その、それぞれの立ち位置ね。3つの視点がある。それぞれ大物で、

  • 表の音楽界の大物
  • 技術者の大物
  • アングラの海賊の大物

という3人の人物。音楽ビジネスを壊し、再生させるのに必要だった3人。前者2人は金持ちになったけど、最後の海賊の人達は大して儲かってないね。みんなほぼ無罪で、有罪になったやつも数ヶ月で出てきて普通に暮らしているらしい。なるほど。

現在の自分を省みるに、音楽を手に入れるのにiTunesが主力で、たまにYouTubeでMVを流し見る、みたいな感じ。ただ少なくとも日本ではいまだにiTunesで売らない楽曲もあって、しょうがなくCD買うこともありますよ。

うん、私は学生時代(2000年あたり)にMP3以外が勝つ未来は見えなかったなぁ。今もCDからエンコードするときはMP3です。一時はOgg Vorbisとかflacを使ってた頃もあるが。MP3はこないだ死んだと言われてましたが、実際は特許が切れただけでむしろ「永遠」が始まった感じがするんだよね。しかしMP3の歴史にあんな話があるなんて思わなかったな。「凄い規格が出てきたらしい、しかも実際すげえ!」というのが私にとってのMP3です。まーiTunesは今はAACですし、YouTubeもオーディオ部分はAACですね。AACが最終形なんですかね。

音楽自体も、売れなくなったとは言え結構いい曲も出ているし、私は今でも買っているわけで、未来はあるんじゃないかと思いますね。例えば「技術書籍」なんかと比べると全然減ってないでしょ。技術系のドキュメントなんてもう全部Webで、紙の書籍なんてみんな買ってくれないですからね。