シンギュラリティ 人工知能から超知能へ (マレー・シャナハン)
シンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれるものに関する本。AIが人間の脳を越えるという話で、まあ確実に来るであろうし、自分が生きている間に見てみたい、そしてそいつを欺いてみたいものではある。実際のところはどうなのか。まだまだいくつもブレイクスルーが必要。
この本で参照されていた、Googleの人が書いた論文(100万の整然としたデータよりも100億の雑然としたデータの方が良いとかいうもの)を会社でチラッと読んだりもしてみたけど、今の技術ではやはり遠いな、という感じがする。畳み込みニューラルネットワークの全盛期もそう長くは続くまい。実際の人間は100億はおろか100万もの言葉のデータが整理されていなくても、会話に不自由なく詩すら奏でられるわけだし…
AI分野は全脳エミュレーションの方向で進める方が先が見えていいのではないかと思った。ラットの全脳エミュレーションくらいなら今のGPUをいくつか並べればできそうじゃん? 計算量的には間に合うと思う。ニューロンの正しいモデル化ができるのかどうかがキモになるだろうから、脳の働きについて解明を進める医学系の研究が重要になるだろうね。ラットの全脳エミュレーションが実現できれば、そこから人間のそれに行くまでに、何十年もかかるものではないだろう。それを計算の物量作戦で加速すれば、たどり着ける。
ああ、本自体は退屈だったよ。必要以上に文章が長く、最後まで読まなかった。アメリカ人が書く本ってのは原稿料体系が語数ベースだから文章が無意味に長くなる傾向がある、という神話の信者になりそうですワタシ。