介護殺人 追いつめられた家族の告白 (毎日新聞大阪社会部取材班)
介護者による殺人について取材を重ねた毎日新聞の取材班による著作。これは圧倒されるね。生きるとは。自分や配偶者の死に方について考える。親のそれについても。子についてはまあ、自分でなんとかしろ。自分についてはまー、始末の悪い死に方はしたくないよね。誇りなき死を避けるにはどう生きるべきか…
施設で静かに生活できた方がいいことは分かっている。ケアのために現役世代の時間や才能を奪うというのは構図としてはおかしい。子育てには喜びがある。介護に同じ種類の喜びはないと思う。終わりも見えないし、サイズもウェイトも違う。家族が介護に追われるというのはだから、私は社会のあり方として違うと思う。プロの方が腕もあるし、スケールメリットも出せるしそれ用の設備も使えるからいいよ。
ただそのへん金次第ってところもあるんだよね。年金の問題もあって老後世代の金は世代を経るごとに減っていくし、プロの介護者も増えてく感じじゃないよねえ。つまり、今後悪くなっていく一方になることが考えられる。自分は引退時に自分の世代のためのその金が残せるだろうか。もともと少ない年金を退職の時に清算してさらに少なくしたしなぁ。
どうにかならないものか。科学技術はそれを救えるだろうか。一つの解をロボット技術とかに求めることができるのかどうか。人間の老衰をどうにかする方が先か。それは自分の世代の老後に間に合うのか。