Fランク化する大学 (音 真司)
大学の掛け持ち非常勤講師を5年間やった著者が、大学の問題について記した。著者は商社で働いていたのだが、ドクター取るために会社を辞めて、そして非常勤講師になった。給料は激減したらしい。
Fランクというとどうしても学生の質という印象が出てしまうのだが、この本は教える側のダメさ加減にフォーカスしている。考えてみれば、まあそりゃそうだよね。高校出たばかりというところからであれば、しっかり教育してモチベーションを与えれば化けるでしょう。首相の名前知らないとかバカにするけど、自分の若い頃の状況を考えてみても、大学入った頃ってのはやっぱり、幼いもんだよね。なんていうか、興味の対象が違うだけなんだからさ。
首相? じゃあお前妖怪ウォッチの妖怪の名前いくつ言えんだよ、っていうね。政治的な立ち位置をまだ持っておらず選挙権もない状態の若者にとっては、首相が誰だろうと影響は皆無だ。官房長官? 今はシキタリ・シャンイチだっけ? いやシキタリさん死んだんだったか。
まず講師の給与が低いというのがあるよね。そして教員の質が低い。さらに学生も。学生についてはまあ、どんなFラン大学にもまともな学生というのはいるみたいだが。
ちょっと疑問に思ったのが、この著者は5年間非常勤講師をやって、今はベンチャー立ち上げているらしいのだけど、ゼミのこととか色々書いてるんだよね。3年目からゼミを持ったとして、3シーズン。まあそれでも書けるか。しかし給料が安いのはきついよね。誰よりも頭が良いと期待される職業の奴らが、こんな安月給でコキ使われるなんて…救いのない話だよ。