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山椒の実

スタジアムの宙にしあわせの歌が響く街: スポーツでこの国を変えるために (天野 春果)

川崎のプロモーションの中核を担う天野さんがノーベル文学賞を狙ったこの一冊。「スタ宙」の略称が定着しつつある? まあノーベル賞にはちょっと遠いかな。でも読み応えのある一冊に仕上がっている。フロンターレサポの多くが知っている顔。誰もが一度は見たことがあるんじゃないかな。

以前は欠かさず通っていた等々力やアウェイにもなかなか皆勤賞とは行かなくなってきたし、趣向を凝らした企画を見て回ることも難しくなっているが、今でも川崎の試合にはできる範囲で駆けつけるようにしている。そんなこともあり、スポーツイベントには割と行っている方だと思うけど、川崎の試合って相当頑張ったなと思える本格的な企画も多いんだよね。その裏側を垣間見ることができる。こりゃ苦労してるわ。スポーツ屋、あるいは企画屋には必読書になるでしょう。思ったよりも低予算でやってんだな、という感想も。そこはこだわっているらしいが。

ただ副題の「スポーツでこの国を変えるために」は大きく出たね。オリンピックの方に移籍(レンタル?)が決まっているので、このくらいの副題をつけなきゃいけなかった事情があるのかな。

あとは選手も伊藤宏樹に井川、憲剛としっかりした大人にキャプテンや選手会長を任命しているというのが大きいのではと思う。井川は立派だよね。あとまあ社長が常識人だったことにはホッとした。普通じゃない企画にはちゃんと反対してたんだね。それでも戦略を立てて攻略し、押し切っちゃうところが天野さんなんだけど。