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山椒の実

だれの息子でもない (神林長平)

神林長平らしいSF。自分の人生を記憶し自分を模倣するようなネットアバターが普及しているという設定。いわゆる自我科案件(忍殺で言うところの)ですね。火星かなんかを舞台に似た設定のやつがあったなぁ。『帝王の殻』だったかな。最近は実際にスマートフォンが副脳みたいになってる世の中だし、この設定はいい線いってるんだよね。

そして長々しい考察の独白が続いて、ああこれが神林長平だよなぁと。昔ずいぶん好きだったんだよね。雪風とか、海賊課シリーズとか。若いころはこういうのを繰り返し読んだものだ。

そしてこの本。設定に酔いすぎることもなく最後のオチも割としっかりしていて、いい感じに読ませる。あーでも、兵器の設定はいらなかったんじゃないかと思うなぁ。どうだろう。桜電改ね。