しんがり 山一證券 最後の12人 (清武 英利)
巨人でコップの中の嵐を起こしてクビになった、あの清武さんが、山一證券の自主廃業と残務処理をした人たちを描いた本。さすがジャーナリスト、こういう本を書くこともできるんですね。
山一證券の廃業はまあ私にとっては歴史上の物語です。1997年に廃業ですから、まだ株式投資が私の身近に来るずっと前の話です。私はネットの時代になってから始めたクチですから。最初はDLJ Direct SFGだったかな。いったん足を洗ったあと、すぐに楽天証券になっちゃったけどね。楽天証券になってからはほとんど取引をしていなかった。口座残ってるのかな?? その後、最近になって現物株を再開して、あの証券会社とあの証券会社を併用する現在の体制に。
まあこの本はそんなこんなではなく、私からは最も縁遠い、法人営業で名を馳せた山一證券の物語。それはメチャクチャですね。利益率を約束して売って損失が出たら補填して付け替えて、複数の会社の決算期の違いを使ってぐるぐる回して…というね。しかも何かと法律上問題あるから口約束で、しばしば損失の押し付け合いが起きて交渉になっていた。ほんとモラルないですよね。潰れて当然という印象しか受けなかった。それでも、家族経営みたいな一体感のある職場だったらしい。仕事しやすいのかな、そういう職場って。私には合わないだろうな。
最後はのけ者にされていた人たちが無給で調査をして、報告書を書く。今読んでもちゃんとした報告ですね。この調査・報告に入った弁護士の人は最近だと「すき家」問題の報告をまとめた人でもあるみたいです。なるほど。