物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (安達正勝)
フランス革命を描いた本。私のこれまでの人生ではフランス革命についてはあまり興味を持たずに過ごしてきた。そんなこともあって、もともとの知識が歴史の授業と「スカラムーシュ(ラファエル・サバチニ)」を読んだ、くらいしかなかった。「ガリア戦記」を受けてガリア(フランス)のその後の激動と言えばフランス革命だろうということでこの本を読んでみた。
まず言えるのは、この本は退屈せずに読める。これは非常に重要なこと。
読み進むにつれて、それまで私はフランス革命というのは単に資本家が王から権力を奪った事件、という理解だったのだが、これが真に革命だったのだ、ということが分かる。フランス革命はナポレオンの登場で終わるけど、フランスの歴史はその後も続いていて、読後にいろいろ調べてみたらかなり面白い。フランス、完全に近代ヨーロッパの主役じゃないですか。思想的な部分も優れている。
実際、この本を読むまではイギリスの産業革命が優れていたので、産業革命が人類を豊かにしてくれたんだと思っていたが、実は我々の世界で人がこれほど尊重されているのはフランス革命の影響なのだと思い知らされた。もっと若い頃に読んでれば良かったな。