カエサルを撃て (佐藤 賢一)
若くして全ガリアを糾合しカエサルと雌雄を決するに至ったガリア最後の英雄、ウェルキンゲトリクスを主人公に置いた話。
正直どうでもいい話が強調されていると感じる。あの凄惨な焦土作戦をどう表現するのか、アレシアの戦いやそれに至る闘争をどう捉えるのか、気になったので読んだが、ある程度の狂人として描いてはいた。
ただね、デカマッチョかハゲ中年かというのは別にどうでもいいんですよ。チンポのでかさなんて英雄としての器とあまり関係ないんじゃないの。大衆の前で野蛮なことに及んだりする、主人公側の行状でホントかどうか分からんことをわざわざ強調する意図はどこにあるのかな。だいたい、野蛮人の風習とは言え気軽に強姦しすぎで、読んでいて気分の良いものではない。
戦いの描写も局面に寄り過ぎていて面白いとは思えなかった。アレシアの戦いの最後の最後でちょっと策が出てきたくらいか。最後まで読んだご褒美としては物足りない気も。文章も説明的なところが多くてあまり良くなかった。