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山椒の実

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (スティーグ・ラーソン)

2の続き。リスベットが入院中にいろいろな人が暗躍する。まあなんだかんだで良識が勝つ。ちょっと普通に勝ちすぎて気持ちが悪くなるほど。ただこういう展開のほうが読後のスッキリ感はあるだろうね。2はまあ明らかに続きがあったけど、3のラストはそれほど多くの謎が残ったわけではないし。

ただまあ、1や2に比べるとドキドキ感は薄いな。描写がいろいろあって勝つことが分かってしまっていた。1は呪われた一族による孤島ミステリで先の展開を読みにくかったし、2は狂人軍団との対決で、設定の無理さを脇に置いとけばこれはなかなかの強敵だった。そして3はスパイ小説。ジャンルを変えながらの3部作。次はSFか何かか? と思わせつつも、この著者は4を途中まで書いて永遠の眠りについたらしい。そして権利関係でモメて4の途中までの原稿も日の目を見る気配はなさそうだ。これ以上この著者の本を読めないのはちょっと残念に思う。

そしてこの3部作で起きたことと言えば結局、リスベットが救済されたことだけだ。まあ1部でハリエットも救われたか。