オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム)
題名は非常に有名だが読んだことのなかった名作。しかしオズがあんな体たらくとはね。がっかりだ。作者はなんでこいつをタイトルにしたんだろう。
登場人物 | 採点 | ひとこと |
---|---|---|
オズ | 4.0 | あまりにも無力! 使えない奴。しかも逃亡!? |
ドロシー | 5.0 | 魔女を倒したのは幸運にすぎないが、幸運を呼び寄せた |
トト | 5.0 | しゃべれないというハンデを克服できなかった |
かかし(MoM) | 6.5 | 無敵! あまりにも無敵! |
ブリキ | 5.5 | 木こりとしては標準的な活躍 |
ライオン | 6.0 | ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだー |
ネズミ女王 | 5.5 | けっこう活躍したよね。印象には残らないけど |
飛行サル | 5.5 | 飛行する…サル! ちょと何を言ってるのか分からない |
魔法使い東 | 5.0 | 登場時にはすでに事故で死亡…哀れな |
魔法使い北 | 6.5 | 魔力で言えばこいつが最強…だがオズの真相を見抜けず |
魔法使い西 | 4.5 | 一度は主人公に勝利するも水に弱い…パンでできてるの? |
魔法使い南 | 6.0 | こいつが主人公でも良かったんじゃないの? |
カンザス人 | 4.5 | 活躍の場を見せられず |
思うに(オズは置いといて)魔女の魔力で比較すると北南の良い魔女は西東の悪い魔女を圧倒している。特に北の魔女の魔力は卓越していて、おでこへのキスだけで悪い魔女に手出しできない手下を作れるわけだ。ここまでの戦力差があるのに、しかし西東を滅ぼさずにおいたということは何かを暗示しているのでは? そしてその均衡を部外者のドロシーが偶然にも崩してしまい、世界の平和が乱されたという構造だ。北の魔女がドロシーに味方しつつも靴の使い方すら教えないというのは、部外者に対する親切心と敵対心の葛藤が見られる。
この世界はドロシーをはやくカンザスに返す必要があったし、ドロシーも帰りたかったのだけど、そこに思慮深い無敵かかしや慈悲深いブリキの木こり、百獣の王の勇者ライオン、ネズミの女王、飛行サルまでもがドロシーの影響を受けて世界を乱したわけだ。それに対する大魔法使いオズのとった選択はなんと…逃亡! ありえんでしょ。やっちゃいかんでしょそれだけは。
オズの考えもわからんでもない。かかしやブリキ、ライオンが望むものは気づいていないだけですでに持っていた。相手が持っているものを与えても仕方がないから誤魔化したのは悪いことではない。ただ、西魔女を倒したドロシーの望みを叶えるどころか自分だけ逃亡したのはいただけない。確かに一緒にカンザスに飛ぼうと努力したのかもしれないが、結果論として自分だけ飛んだでしょ。そりゃダメだよね。
まあドロシーも悪い子じゃないよ。西魔女戦の後もかかしやブリキを助けたしね。