ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト(ポール・アレン)
マイクロソフトの共同創設者、ポール・アレンの自伝。ビル・ゲイツを説き伏せてマイクロソフトを作り、仲違いして追われ、しかし巨万の富で充実した人生を送っている。ああ、仲違いと言っても今は普通に和解しているそうです。まさしく「金持ちケンカせず」ですな。
当時のことはいろいろ言われている。IBMやCP/Mのあたりとかね。この本は当事者としては申し分のない人が書いているから、かなり真実に近いんだろう。そしてマイクロソフトがなぜここまで大きくなったのか? それは技術的にも計算機の発展的にも必然だったということが丁寧に説明されている。要は自分がそれを見通したのだ、という自慢ですね。
いろいろ書いてあるが、ビル・ゲイツの性格や言動の一部は今のLinusらの言動と似ているよね。まあ実際、システムソフトウェアの奴らの言動はだいたいこいつらのパターンに似通ってくることが本当に多い。他の業界でもそういうことってあるんだろうか? そしてスティーブ・ジョブズとの違いについてとか、いろいろあって本当に面白い。スティーブ・バルマーの腕立て伏せの話とかもね。
後半もシアトルのNBA/NFL/MLSのチームのオーナーになる経緯とか、オーナーとしての奮闘なんかもかなり楽しい。宇宙関係とかもね。この人は本当にいいお金の使い方をしているよね。ビル・ゲイツなんかはカネは十分すぎるほど集めたけど、いまいち使い方が楽しそうじゃないんだよな。実際、ビル・ゲイツには憧れる気がしないもんね。その点、ポール・アレンには憧れ得る。