ラーニング・レボリューション MIT発 世界を変える「100ドルPC」プロジェクト
全ての子供にパソコンを。OLPC, XO, Sugarと世に出してきた人々を描く。成功も失敗も。Sugarみたいなものには注目したいと思っていた。Sugar on stickとかありましたよね。この本を読むとXOの技術的なことについてもある程度書いてあって面白い。ディスプレイがそんなふうになってるなんてね。
最初は壮大な夢で注目を集め、100万台以下では取引しないとか高飛車だったが、徐々に現実を見るようになっていく様子はある意味生々しい。教育に関してはかなりいいことを書いているように思うし、随所に挟まれる小話も面白い。50個のゆでたまごを食べる話とか、ファインマンの摩擦発光の話とかね。
序盤はかなり読みにくい文章だったので正直、どうなることかと思ったが、徐々に引き込まれていく。ただし章立てはあまり上手くないと思った。なんというか、1本のストーリーになってない。それだけプロジェクトが迷走しながら走り続けたということか。
私は貧困な層だけではなくて、日本のような環境でもこういうものが必要だと思うんですよね。子供が自由時間に自由にできて、何かを作り出したり壊したりできるオモチャがね。今はそれがLEGOなんだけど、それを片付けできなくて母親に取り上げられたりもしてるんだけど、時が経ってうちの子も育ってきたら、もうちょっとね、もっとOLPCのように高度な何かを与えたいと思っているんだよね。消費するだけではなく、作り出すオモチャを。タブレットやスマートフォンやゲーム機だと作り出すって感じじゃないんだよ。それこそ昔のファミリーベーシック(なつかしー!)的なものが欲しい。今だと何が適切なんだろうね。