京王線が企画した、駅周辺を歩いて謎解きをしながらサイドストーリーを楽しむ小説。これは2期目の2-3話目。紺色の封筒に気をつけろ!
冊子は駅で配布していて、ネットで序盤だけ読める設定? と思っていたが、手近な啓文堂(京王線系の本屋さん)に普通に置いてあった。入れ替わりの時期だったからか、2冊同時にゲットできてラッキー。1期の「いつも駅からだった」シリーズは終わっていて、今は「あの駅に願いをこめて」シリーズをやっている。1期はまとめて文庫本にもなっていた。
京王線が企画した、駅周辺を歩いて謎解きをしながらサイドストーリーを楽しむ小説。これは2期目の2-3話目。紺色の封筒に気をつけろ!
冊子は駅で配布していて、ネットで序盤だけ読める設定? と思っていたが、手近な啓文堂(京王線系の本屋さん)に普通に置いてあった。入れ替わりの時期だったからか、2冊同時にゲットできてラッキー。1期の「いつも駅からだった」シリーズは終わっていて、今は「あの駅に願いをこめて」シリーズをやっている。1期はまとめて文庫本にもなっていた。
分子生物学の勃興を振り返る本。著者はその真っ只中で、研究者として過ごした。その光と影。学者の世界を垣間見られる。
ラセンとかガン、タンパク質をカタカナで書くのはこれ系の人では共通しているのかな。タンパク質はそれほど違和感ないけど、外来語ではないよね。以前に「癌」をカタカナで書くのは怪しい素人、プロは漢字かひらがなだ! みたいなネット言説を見たことがあるが、やっぱデタラメじゃんw
もともとは校正の本に出てきた本で面白そうだと思って読むことにしたんだ。校正の本で議題に上がっていた冒頭のマンハッタンの観光船の話は確かに絵になる。
エイブリー、シャルガフ、ワトソン/クリック、マリス、シェーンハイマーを始めとして、あのシュレーディンガーまで出てくる。学術の歴史が紡ぐ、生命の神秘を辿る道。
評価に困る作品だよな。表題作の主人公は描写が乏しいし、明らかにグラフィックの描き込みが違う、こいつ…モブじゃないぞ! と思ったやつが一瞬でモブだったり(わざわざ名前つける意味あんの?)、故意としか思えないほど貧相な描写で裏切り続けてオチがまた。実はタヌキでした、と言ってくれたほうが良かった。三姉妹設定も生きてないし、捨て犬の捨て方の凄惨さからの一代記としても、犬自体の描写もほとんどないから。
そういう表題作の他にも独特な空気感を持って軽くSFかホラー的な風味をつけた短編がいくつか。こういうの好きな人いそうだよね。16人産む話やラジオの話など、奇妙な後味がある。
校正の人の本。独特な文体で、ペラペラと内容のあることを喋りまくる印象を受ける。本を読みまくっているらしいです。いいなあ、とは思いつつも、興味のない文章を長時間読むのもな。
すごいよね。自分にはきっとできないであろう、特殊技能。校正の時の読み方はかなりストイックなものらしい。なかなか化け物じみた職業に思えるが、どうだろうか。それでも落とす(←見逃すことをこう表現するらしい)ことがある。どんなベテランになっても変わらない。拾う/落とすという表現は校正者の観点ではしっくり来るものなんだろうな。落とし物を探すみたいな感覚かな。
ゴリラ本に引き続き、同著者の第2作。これまたすごい話だった。ラストの蛇足? は唐突すぎるので置いといていただいて。全体的には、なんとも素晴らしき物語で、本当にいい読書体験だったなあ。木下が満場一致のMoMだ。あわれな芳澤は破滅でもしてろと。
共通する足の怪我の謎も、そんなものかと思ったがよく考えるといい味を出しているような?
SF的要素もちゃんとしていて、ドラマ部分にも強烈に引き込まれる。しかしこれ、日本と中国だったからこういう物語に着地できたんだが、例えばもっとこう、マラウイとか宇宙ステーションとかだったらどうなっていたことか…みたいな考察もありうるよな。遅延とか時差とかを考慮して。たどり着く苦難も中国どころではない。
読まずにはいられない魅力のある本だ。タイトルだけですでに勝ってるよね。子供の読書感想文に選んだら選者の多くにはストライクかもしれない。うちの子供は、読書感想文を書いて提出する宿題が出るような年齢は過ぎてしまったのだが。
日本が世界に誇るあのマーシャルアーツ。ホームズをモリアーティ教授との死闘から救い出した護身術。一説には伊藤博文が直伝で少年時代のホームズに教えた武術だったりするのだが、その謎を解明するためのキーとなるような本。この本では、バリツの最有力候補である、バーティツについて詳細に記述し、現代の格闘家を啓蒙するのだ。愛用のステッキがうなりを上げるぜ。
中身を見ると、確かに和風の武術が含まれていますね。柔術系で、中心線を意識して対角線上で逆方向の力を加えることで、少ない力で相手の体を回転させたり。後の先みたいな概念もあるし、関節技も駆使している。
同棲中の恋人を疑う男の話。まあ7年付き合って同棲も長いのかな、法律上は内縁の妻か? 入籍してないのもどうなのってくらいの関係で、チャラチャラふわふわしている主人公がイライラさせてくるというね。
途中からの展開は不穏で狂おしくて良かった。記憶術すごい。日常にも、こういう狂気がないといかんよね多少はw
雪深い温泉卵の旅館に勤める人が出会う…ブエノスアイレスってアルゼンチンのどこよ??
都市名と時刻のタイトルはワリと良作が多いよね。東京は夜7時とか。AIに聞いたらデタラメ答えるけど。
ダンスシーンが絵になりそうだなあ。
もう一遍あり、スーパーの屋上の子供向けコーナーで神秘に覚醒する男の話だったが、どうかな。こういう日常を短く長く描写するのも技術…なのかもしれないが、面白くはなかったな。技術を体感するために、自分でも書いてみようか、日常を。描写力のトレーニングのために?
プリマの香薫の歌が頭の中を駆け巡る。おさえきれない、この気持ち。香薫やシャウエッセンには絶大なる信頼感があるよね。この本はどうか。
農業革命を経て発展を遂げたあとの、帝国ファンタジー。またオルファクトグラムの系統か。異常臭覚発達者が八面六臂の活躍を見せつける。アクションあり恋愛あり戦闘あり推理あり航海あり登山あり農業あり。盛り盛りの、盛りだくさんだ。一粒で何度も美味しい。
確かにね、匂いというのは意外と重要な情報だから、本書の現実を前にして考えると、農業知識の発展にも役に立つのかもしれない。現実的にはセンサー技術で解決するか、異常臭覚発達者の出現に賭けるか、犬に人語を喋らせるか…日本のフードテックでの最短距離を考えてしまう。いや虚構なんですが。
記憶をもとに、自分のファミリーヒストリーを追う。暗すぎる過去と、明るすぎる現在を対比させながら、時間がつながっていく。
過去の話は、凄惨なシーンも多くてショックを受けた。よく生き延びたよ。サバイバーで、暴力を再生産せずに生きたのは立派なものだ。なんという強さ。真の勝者の物語だ。
台湾編からのクライマックスには疾走感があったな。運命に導かれたかのようでいて、自分で切り開いている、その道。愛がある。
ラストも切なさがある。そうなるか。そうなるよなあ。克服することの難しさがある。