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山椒の実

Category: Sports

ノバク・ジョコビッチ伝 (クリス・バウワース)

ジョコビッチの伝記。まだトップ選手…それもトップオブトップな選手なので、伝記には早い気もしたが。 5歳の頃からプロフェッショナルで、空爆の下で命をつないで練習を重ねたピザ屋の息子にして小麦粉アレルギー保持者。食事を改善するまでキャリアの序盤では棄権や故障が多かったらしい。そういうあれこれを考えると、先日のオーストラリア入国におけるトラブルはまあ、しょうがなかったんだろうなと思える。科学的にも論理的に

そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常 (早川史哉)

あるサッカー選手が大病を患いました。その復帰までを記した自伝。公式戦に戻れるまで、3年以上かかった。話としては知っていたけど、詳細は知らなかった。途中契約凍結していたらしいので負担は少なかったのかもしれないけど、3年待ったチームも頑張りましたよね。その間にJ2に降格し、選手も大幅に入れ替わった中で。似た境遇としてすぐに思い浮かぶ大宮の塚本もこの本に出てくるけど、塚本はプロ選手には戻れなかったが、大

南雄太 型やぶりなゴールキーパー (野上伸悟)

あの南雄太のキャリア序盤までの軌跡をたどった書。子供向けですね。桁外れな身体能力、並外れた強心臓。どうしても我々はキャリア中盤のあの事件を知っているから、それを意識して読まざるをえないっていうね。田代まさしがもう薬やらないって本を書いたのを、そのあとまた捕まった事実を知りつつ読むのと似ている? ただ好GKだったのは間違いないよねえ。 「かたやぶり」というと最近ではドリュウズかな。ポケモンの。あと私は最

わいたこら。 人生を超ポジティブに生きる僕の方法 (新庄剛志)

新庄の自伝。なかなか振れ幅の大きい人生を送っている。ポジティブに書いている…というか口述している。ちょっと無理してんじゃないの、とハラハラする気分にもなりながら読み進めた。 計算し尽くされた野球人生の終わりに、信頼していた人に騙されて20億円を失ったが、それをも楽しむというね。私はあの清原本を読んだ後にこの本を読んだんだけれども、考えてしまうのは「どうしてこうなった清原…」になってしまう。幼少期の境

清原和博 告白 (清原 和博)

清原のアレね。 ページをめくるたびに気が滅入るのだが、読まずにはいられない。あの清原へのインタビューを長期に渡って重ねた、そういう本。ただ遠くにボールを打ちたかっただけの少年が、どうしてこうなった。 アンサー本を先に読んだのだけども、そこでは対戦相手を太陽のように照らした清原の現在地。今は傷つき弱って、そこからこれまでの人生を振り返る。それは当然のことながら美しいだけの人生ではなく、歪まされ、暗さが支

ディス・イズ・ザ・デイ (津村記久子)

サッカーの2部リーグのシーズンを取りまく人間模様のオムニバス。チーム名は架空だが。恋愛だったり、家族だったり、仕事だったり、友人だったり、親戚だったり。現実感がないシーズン展開もあるが、悲喜こもごも。その雰囲気は出ていると思う。 まあ実際はそんなにしょっちゅう旅行できる人ばかりじゃないんだよね。遠出というのは描かれている通り、お金も時間もかかるもので。そこで自分はホームスタジアムの近所に住んだ。アウ

二軍監督の仕事 育てるためなら負けてもいい (高津臣吾)

ヤクルト史上最大級のレジェンド、高津臣吾の著書。いまヤクルトの二軍監督をやっている。知らんかった…そしてこの本で二軍監督としてのあり方、考え方を述べている。 正直なところ、心に残るようなものはなかったのだが、安心感は感じた。自分の子供が野球の天才だとして、こういう指導者に預けとけば問題なさそう、といった種類の安心のことね。 大成した選手の育て方の研究なんかもしっかりやっていたりね。育成の失敗例なんかも

清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実 (鈴木 忠平)

甲子園で清原が放った13本のホームラン。それを食らった投手へのインタビューを元に、それぞれの、そして著者の清原への思いを描写していく。清原ファンにとっては必読の書。純粋に、良い本だと思います。 大学や社会人野球に進んだ選手もいるし、野球を辞めた選手もいる。中にはプロになった選手も。その後の清原の30年はいろんな描写がされてきたけど、打たれた者にとっても30年の歳月が過ぎたわけだ。それぞれの30年が熱

イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち (澤宮 優)

スポーツ選手を襲う魔病。医学用語ではなくゴルフ用語らしいね。思ってたよりも広くある症状だと。原因もはっきりしているわけではないし、治療法も確立されていない。 興味深かったのは、最後のあたりに出てきた1万時間理論のあたりか。どんなものでも上達するのは練習時間にして1万時間くらいで、それ以上はやっても効果がない。それで練習は上達のためでなくコンディション調整に徹することでイップスのようなものを避けると。

三流 (長嶋一茂)

言わずと知れた長嶋茂雄、その人の息子である一茂へのインタビューを本にしたもの。こういうのの著者を一茂の名前にしてしまうのはちょっとどうかと思うよ。まあスポーツ選手の本は多くがそうなんだけどね。 で、一茂だ。親があの人で、恵まれた体格と筋力。イージーモード設定の人生なんだけど、彼は親父を目指してしまった。本人がいみじくも言うように、父親のようになりたい、という平凡な夢はまるで太陽に挑むようなものだった