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山椒の実

職務質問 (古野まほろ)

いかにも元官僚? 言葉遊びが好きな感じの元警察官僚が書いた、職務質問に関する本。「廬でご隠居が書いている自己満足文」みたいな感じの文体なので、読みづらいよ。この文体なら個人ブログにでも書いとけという気が。内容は悪くないにしても。流石に途中で苦痛を感じて最後まで読めなかった。よく本にしたな…

職質というのはたまに物議を醸す、なんの証拠もないし事件捜査でもないけど見た目が怪しいんで調べさせてもらいたいです、というアレですね。以前に元国家公安委員長かなんかが引っかかってトラブルになった気が。その話も、このくねくねした文体で書いてありました。

実は私も一度受けそうになったことがあります。夜、自転車で帰宅中に等々力緑地を通りがかったところで、警察官に声をかけられました。無灯火ではなかったし、「はい? あ、ご苦労様です」みたいに対応したら一瞬の挨拶だけで終わりました。職務質問に至らなかった例か。そんなホイホイ持ち物見せるつもりにはならんけどな。あんまり抵抗するとかなり厄介なことになるらしい。つまり、ホイホイ見せないと危ないところだったんですね。しかしなんであんなところで声かけてきたんだろう。事件でもあったのかもしれない。事件捜査は職務質問とはかなり別の種類のタスクらしいが…

銀行強盗の帰り道(=逃走中)に職質に捕まった過激派の犯人の話はすごかったな。長時間粘った末に勝手に荷物を開けられた(強奪した札束が入っていた)。まあ職質としては違法であって、そうやって取得したものは証拠にしてはダメなんだろうけど、特殊な例みたいな感じで(?)最高裁も認めてしまった? みたいな経緯があったらしい。そこまで怪しくて強制して調べたいなら、逮捕状とって逮捕した方が楽だよね。これに限らず、かなり広範囲に警官側には権限が認められているみたいですね。ほぼ逮捕も同然じゃん、と思った。断っても取り囲まれ移動できない状況で6時間…それで強制ではなく任意と扱ってもらえるとは。民間が同じことやって「強制してないですよ」で通るのか? というと。

それで、この先、あるべき姿はどうなんだろう、と。日本にはホラ、戦時中の反省ってやつがあるじゃないですか。今後中国だのロシアだのと戦争状態になったとして、スパイや裏切り者を捕まえるようなタスクが警察に与えられたとして、そこに職務質問という手段が使われると思うんですよね。いわゆる過去の特高警察のようなことがやりたい放題になって、多くの国民を蝕むのではないか、と。その辺に話が及んだかどうかは、最後まで読めなかったから不明。この内容、もうちょっとまともな文章で読みたかった。