Skip to main content

山椒の実

私たちはどこから来て、どこへ行くのか (森達也)

現代日本でトップクラスにやばい奴の本。そういえばおれはAとA2は見たしA3も読んだんだよなー。下山事件のやつも。けっこうファンなんじゃん…あとプロレスのヒールの本もこの人のやつを読んだ気がするな(あるいは違う人の本だったかも?)。良い著者に特有の、醒めた狂気を感じさせてくれる。そういう雰囲気をまとう人物たちがいて、その中で森と名のつく3大人物が森勇介と森達也、あと一人は?(元首相とか?)

そんなことはどうでもいい。この本だよ。生命とは。人類とは。謎だらけの糸をたぐり寄せようとしてさまよう。一線級の研究者にインタビューを続けていく。

途中で出てきた細胞の擬人化については私はそれほど違和感はないんだよね。粘菌が迷路だか最適化問題を解くみたいな話もあるわけだし、考えるという行為も本質的には化学反応なんだからさ。そこに規模の違いがあるにせよ、特別スピリチュアルなものではないでしょうよ。計算機屋的な表現で言えば、チューリング完全かどうか、みたいな感覚。同じと言われても納得してしまう。1つの細胞レベルであっても、億年の時間を与えればシェイクスピアを思いつくのでは。あーでもサイズ的に、キーボード打てないか。

最後の方の宇宙がどうとかいう話は、そう繋がるのは仕方ない面もあるんだけど、そこまで行くのかどうなのか、という気がした。そっちは今は未知の領域すぎるでしょう。

で、一神教の宗教が言ってることやオカルト系の言うことに行くのも一理あるんですね。インテリジェント・デザインって言うらしいですが、異常に都合良い物理定数というか、パラメータが上振れした結果、人間が発生するに至ったらしい。その都合の良さに、人為的なもの、神の意志すら感じるんだそうだ。そう来ますか…