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維新の冒険が終わった

先日、一発勝負の住民投票で都構想が敗北し、維新の冒険が終わりました。我々は今後どうしたらいいのかな。大阪での話なので対岸の火事(?)でしたが、こういう制度設計による改革って私は好きなんですよね。テクノロジーに通じるものがある。隣接自治体を取り込めなかったのは残念ではあったが、かなり良い案だったと思います。対する批判は論理的なものではないのばかりだったし。なんでこれが負けるかな…

これって川崎市にとって実は他人ごとではない、と言いたいところだけど、大阪とは事情が違う、むしろもっと難しいところがある。大阪府は大阪市とそれ以外と2種類に分類できるだけで、大阪といえば大阪なんだから、なんで住所に大阪2回も書かせるのよ、という単純な話なのですね。で、2回くらい書くよ、という選択をした。府と市の両方を制していた維新が抜けて、数年もあれば逆戻りになるのは目に見えている。悪い設計を実装でカバーすることはできない。

神奈川県の場合は、横浜市と川崎市と相模原市とそれ以外、という分類になる。問題は神奈川だ。神奈川を意識している県民がどれほどいるんだろうか。少なくとも私は普段、神奈川県民であると思うことはありません。県庁がどこにあるかも知らないのだ。川崎市内になさそうな雰囲気と、規模の大きさを考えると、横浜市のどっかにありそう、という気持ちはあるのだが、横浜市も山奥があったりしてでかいから、地理的な見当がつかない。名前から言ったら神奈川区のどっかかな。

そもそも神奈川県という名前の成り立ちも呪われてますよね。ペリーがはるばるやって来て、開国を迫った。当時そこそこ栄えていた神奈川が開港リストに含まれていた。で、日本側がガイジンを騙したんですね。実際に開港したのは横浜とかいうクソ田舎の寒村だったという…150年以上前の話です。で、横浜も神奈川なんですよ、一心同体なんですよと強弁するために神奈川という行政区画を広げて、神奈川府を経て、まあ今は神奈川県横浜市神奈川区と。東京都西東京市みたいな? まあでも得失を考えると開港したほうが栄えるのは自明。で、本来は横浜県になるべきところ、名残で神奈川県という名前が残っちゃった。

東京都の誕生(東京市の廃止)も、戦時という非常時に強引に作られたものらしく、行政区画をいじるのは、そういう非常時でもないと難しいのかもしれない。まあでも非常時に切羽詰まってやっただけあって、制度としては妥当で、東京はうまく行ってるほうだと思います。東京市なんて、ないほうがいい。

私は東京で生まれて岩手で育ち、また東京で成長してから川崎にやってきました。東京とは言っても三多摩地区なんですが、不思議と自分が東京の端っこくらいの感覚で思ってるわけですよ。でも神奈川県の人は違う。川崎の人は「東京のとなり」「横浜の近く」「川崎(苦笑)」とは思いますが神奈川の一部だとは思ってない。「どっから来たの?」「川崎」「川崎ってどこ?」「東京と横浜の間なんだけど」「うーん、わかんない」「まあ関東のどっかですよアハハ」みたいなね。横浜の人は「Yokohama! Yokohama!」と思っているだけ。箱根の人は「第三東京市」。小田原や横須賀や藤沢の人もその点では大差ありません。誰も自分が住んでるのが神奈川だなんて思ってないんだよね。

だから神奈川の場合は県が消えるしかないんですけど、県を消すというのは市を消すよりも大きな作業になるだろう。神奈川単独では成功するイメージが全くない。道州制にするときに関東州の区割りを決めてもらうしかなかろう。

大阪の人にとっても、次のチャンスは全国的な道州制というより高いハードルまで持ち越しになってしまった。前途多難だな。

一方、現実的の脅威としては、維新はもうダメっぽいよコレ、という事実がある。野党第一党が崩壊って…またか。次なんてだれか出てきてくれんのかな…