Skip to main content

ログ取得ツール (移転先予定地)

そのとき流したのは誰のための涙なのか

思わずあなたが世界を変える日(esbooks.co.jp)を読んでしまった(たまにはamazon以外にリンクしてみた)。この本はamazon.co.jpで強力にプッシュされていたので、Knuth先生の本(esbooks.co.jp)を注文するついでに、ほんとに思わずクリックした。まあKnuth先生の話はじっくり時間をかけて読むとして、まずはこのスズキさん(日系カナダ人)の本のほうだ。伝説によると、今を遡ること11年、1992年6月11日ブラジルはリオ。この12歳の少女のスピーチに感動して涙を流した並いる大人は4年後、1996年9月にはISO14001を作るに至る。というわけでこの少女には勇がある。

そしてスピーチの内容。論旨はなかなか説得力があり、ストレートに気持ちがこもっている。要するに大人は自分が賢いと思っているが実際は子供と同じ愚かさに過ぎないのだ。まったく我々はこの子にものを教わるまで何も知らない愚者だったってわけだ。肝は単純。「作り方がわからないものを壊すなよ」と。絶滅した種を生き返らせる方法も、オゾン層を再生させる方法も、我々は持っていない。だからわざわざ壊さないでもらいたい。

この本のように絵本にすることはないと思うが子供に読んで欲しいんだろうな。おれも子供のときに読みたかったかもしれない。人生を変えた可能性もある。時に感じて花にもなみだを注ぐだろう。

さて、スピーチに涙を流した大人は、なにものに対して涙を流したのだろうか。破壊されてゆく環境に対してではないし、貧富の差にではないし、少女にですらない。自分自身に涙したのだろうと思った。とにかく、読んでそう思った。そういう内容。

ただ環境に関しては、地球が壊れたり地球環境が突然火星や水星みたいな環境に劇的に変化するなどということは人類の力ではありえなくて、何が世界の真理かっていうと、人類はいまだ無力なのだ。だからもっと力を溜めてどんどん壊せと言うわけではもちろんなく、環境を「破壊」というか「変化」させていくことで人間が生きる環境を保てなくなるかもしれないのだ。自然環境が自然に人類に牙を向く方向に変化するときは(地球の歴史を見る限り、いつか必ずそういう時期が来る)それに対抗するために「破壊」というか「変化」させなければならないが、今はそうではない。誰しも自分から好んで死ぬことはないだろう。情けは人のためならず、自分のためだけに他人を守れ。…しかしおれの言葉って全然感動しないねぇ(笑)